VCCW+WordMoveでエックスサーバーとローカル環境を同期する

エックスサーバーでVCCW+WordMoveのSSH接続がぐぬぬというツイートを拝見したので自分の設定を公開。
環境は Windows7 + Cygwin(64bit)(ターミナルエミュレータ)
※Cygwinのプラグイン等、普段使う用にインストール済みのものもありますのでエラーが出たら適宜導入してください。

INDEX

  1. エックスサーバーのSSH設定
  2. VCCWでローカル環境作成
  3. Movefile設定
  4. wordmoveコマンド実行!
  5. 詰まった点
  6. 参考サイト

エックスサーバーのSSH設定

エックスサーバーのSSH接続はパスワード認証による接続が不可ですので公開鍵認証により設定を行います。
管理画面で公開鍵認証用鍵ペアを生成する方法とユーザがローカル環境で鍵ペアを作成し管理画面に公開鍵を登録する方法の2通りが用意されていますが今回は後者を。
詳しくはエックスサーバー側マニュアルをご確認ください。
SSH接続 | サーバーについて | エックスサーバー マニュアル

といっても以前 Mac OS XでエックスサーバーにSSH接続 という記事を書いていますのでそちらをご参照頂ければ問題ないかと思いますので今回はCygwinでの鍵ペア生成、エックスサーバーサーバーパネルへの公開鍵登録部分のみを。

#Cygwin
$ ssh-keygen
Generating public/private rsa key pair.
Enter file in which to save the key (/home/ユーザ名/.ssh/id_rsa):
Enter passphrase (empty for no passphrase):
Enter same passphrase again:

#03 デフォルトでは /home/ユーザ名/.ssh/id_rsa が生成されるので別の鍵ペアを生成したい場合は /home/ユーザ名/.ssh/hoge 等を入力
#04-05 パスフレーズを求められるので任意のフレーズを入力・再入力

Cygwin(64bit)を使用している場合 C:\cygwin64\home\ユーザ名\.ssh\ に 秘密鍵(id_rsa)と公開鍵(id_rsa.pub)が保存されます。

鍵ペアが生成されたので公開鍵をエックスサーバーサーバーパネルへ登録します。
“サーバーパネル > SSH設定”へ
vccw-xserver-01
デフォルトでは状態がOFFになっていると思うのでONに。
今回はローカルで生成した公開鍵を登録するので「公開鍵登録・設定」タブをクリック。
公開鍵(id_rsa.pub)をエディタで開き入力、登録で完了。
vccw-xserver-02

SSH接続出来るかを確認。

#Cygwin
$ ssh xserver_account@xserver_account.xsrv.jp -p 10022
Enter passphrase for key '/home/ユーザ名/.ssh/id_rsa':
Last login Tue Mar 31 xx:xx:xx 2015 from xxx.xxx.com
[xserver_account@sv1xx ~]$

エックスサーバーのSSH接続ポートは 10022 なのでオプション -p 10022を付与して、パスフレーズを求められるので登録したものを入力。
問題なければ接続できるかと思います。


SSH接続の度にパスフレーズを聞かれるのが面倒なのでssh-agentに秘密鍵を登録して手間を省きます。

#Cygwin
$ ssh-add /home/ユーザ名/.ssh/id_rsa
Enter Passphrase for /home/ユーザ名/.ssh/id_rsa:

パスフレーズを求められるので入力して登録完了
現在登録されている秘密鍵は以下のコマンドで確認。

#Cygwin
$ ssh-add -l
2048 xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx:xx /home/ユーザ名/.ssh/id_rsa(RSA)

以上でエックスサーバーのSSH設定は完了。
次にVCCWでローカル環境を構築を行います。

VCCWでローカル環境作成

VCCWについては本家を見て頂いたほうがはやいので割愛を。
VCCW – A WordPress development environment.

作業ディレクトリルートに移動、VCCWダウンロード、解凍、リネーム、vagrant upという流れで。

#Cygwin
$ cd /home/ユーザ名/
$ wget https://github.com/vccw-team/vccw/archive/2.5.0.zip
$ unzip 2.5.0.zip
$ mv vccw-2.5.0 vccw
$ cd vccw
$ vagrant up

プロビジョニングが完了して http://wordpress.local へアクセスするとWordPressがインストールされていると同時にvccwディレクトリにMovefileが生成されているかと思います。
vccw-xserver-03

次にWordmoveを使うためにMovefileにエックスサーバーの情報(既にインストール済みのWordPress情報及びSSH情報)を入力していきます。

Movefile設定

デフォルトのMovefileは以下の通り。
「VCCW+WordMoveでエックスサーバーとローカル環境をSSH接続で同期する」場合にはハイライトされた行を変更します。他サーバーやFTPを用いる場合には適宜変更が必要となります。

local:
  vhost: "http://wordpress.ray-medical"
  wordpress_path: "/var/www/wordpress"

  database:
    name: "wordpress"
    user: "wordpress"
    password: "wordpress"
    host: "localhost"

staging:
  vhost: "http://example.com"
  wordpress_path: "/var/www/your_site" # use an absolute path here

  database:
    name: "database_name"
    user: "user"
    password: "password"
    host: "localhost"
    charset: "utf8"

  exclude:
    - ".git/"
    - ".gitignore"
    - ".sass-cache/"
    - "bin/"
    - "tmp/*"
    - "Gemfile*"
    - "Movefile"
    - "wp-config.php"
    - "wp-content/*.sql"

  # paths: # you can customize wordpress internal paths
  #   wp_content: "wp-content"
  #   uploads: "wp-content/uploads"
  #   plugins: "wp-content/plugins"
  #   themes: "wp-content/themes"
  #   languages: "wp-content/languages"
  #   themes: "wp-content/themes"

  # ssh:
  #   host: "host"
  #   user: "user"
  #   password: "password" # password is optional, will use public keys if available.
  #   port: 22 # Port is optional
  #   rsync_options: "--verbose" # Additional rsync options, optional
  #   gateway: # Gateway is optional
  #     host: "host"
  #     user: "user"
  #     password: "password" # password is optional, will use public keys if available.

  # ftp:
  #   user: "user"
  #   password: "password"
  #   host: "host"
  #   passive: true

# production: # multiple environments can be specified
#   [...]

※なおMovefileはインデントが非常に重要なようですので以下の様にインデントがズレると wordmove コマンド実行時にエラーが発生します。

staging:
  vhost: "http://example.com"
  wordpress_path: "/var/www/your_site" # use an absolute path here

  database:
    name: "database_name"
     user: "user"
    password: "password"
    host: "localhost"
    charset: "utf8"

#インデントがずれた状態で wordmove コマンド実行時エラー
[vagrant@wordpress vagrant]$ wordmove pull --all

▬▬ ✓ Using Movefile: ./Movefile ▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬▬
/usr/local/rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/2.1.0/psych.rb:370:in `parse': (<unknown>): did not find expected key while parsing a block mapping at line 12 column 3 (Psych::SyntaxError)
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/2.1.0/psych.rb:370:in `parse_stream'
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/2.1.0/psych.rb:318:in `parse'
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/2.1.0/psych.rb:245:in `load'
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/gems/2.1.0/gems/wordmove-1.2.0/lib/wordmove/deployer/base.rb:58:in `fetch_movefile'
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/gems/2.1.0/gems/wordmove-1.2.0/lib/wordmove/deployer/base.rb:20:in `deployer_for'
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/gems/2.1.0/gems/wordmove-1.2.0/lib/wordmove/cli.rb:45:in `pull'
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/gems/2.1.0/gems/thor-0.19.1/lib/thor/command.rb:27:in `run'
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/gems/2.1.0/gems/thor-0.19.1/lib/thor/invocation.rb:126:in `invoke_command'
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/gems/2.1.0/gems/thor-0.19.1/lib/thor.rb:359:in `dispatch'
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/gems/2.1.0/gems/thor-0.19.1/lib/thor/base.rb:440:in `start'
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/lib/ruby/gems/2.1.0/gems/wordmove-1.2.0/bin/wordmove:6:in `<top (required)>'
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/bin/wordmove:23:in `load'
        from /usr/local/rbenv/versions/2.1.2/bin/wordmove:23:in `<main>'

という訳でエックスサーバー用のMovefileの設定を。
前提
・エックスサーバー側WordPressアドレス:http://example.com/vccw/
・エックスサーバーアカウント:”hoge”
・データベース情報は各自ご確認ください。

local:
  vhost: "http://wordpress.local"
  wordpress_path: "/var/www/wordpress"

  database:
    name: "wordpress"
    user: "wordpress"
    password: "wordpress"
    host: "localhost"

staging:
  vhost: "http://example.com/vccw/"
  wordpress_path: "/home/hoge/hoge.xsrv.jp/public_html/vccw" # use an absolute path here

  database:
    name: "hoge_wp"
    user: "hoge_wp"
    password: "password"
    host: "mysqlxx.xserver.jp"
    charset: "utf8"

  exclude:
    - ".git/"
    - ".gitignore"
    - ".sass-cache/"
    - "bin/"
    - "tmp/*"
    - "Gemfile*"
    - "Movefile"
    - "wp-config.php"
    - "wp-content/*.sql"

  # paths: # you can customize wordpress internal paths
  #   wp_content: "wp-content"
  #   uploads: "wp-content/uploads"
  #   plugins: "wp-content/plugins"
  #   themes: "wp-content/themes"
  #   languages: "wp-content/languages"
  #   themes: "wp-content/themes"cd 

  ssh:
    host: "hoge.xsrv.jp"
    user: "hoge"
  #   password: "password" # password is optional, will use public keys if available.
    port: 10022 # Port is optional
    rsync_options: "--verbose" # Additional rsync options, optional
  #   gateway: # Gateway is optional
  #   host: "host"
  #   user: "user"
  #   password: "password" # password is optional, will use public keys if available.

  # ftp:
  #   user: "user"
  #   password: "password"
  #   host: "host"
  #   passive: true

# production: # multiple environments can be specified
#   [...]

wordmoveコマンド実行!

準備は整ったのでゲストマシンにSSH接続してwordmoveコマンドを実行するだけです。

	# ホストマシン
	# ゲストマシンにログイン
	$ vagrant ssh
	
	# ゲストマシンにログイン完了
	# vagrantディレクトリへ
	$ cd /vagrant/
	$ wordmove pull --all
	

という訳でVCCW+WordMoveでエックスサーバーとローカル環境同期できました。
vccw-xserver-04

詰まった点

WordMoveで同期できるまでに数日掛かったのでその間に詰まった点をいくつか。(既に忘れてるのもありますが)

1. 上記に記載の通りMovefileのインデントの位置によるエラー

2. Movefileに記載するエックスサーバー側の ‘wordpress_path’ の値が分からず wordmove コマンドでエラー多発。
どうやらWordPerssをインストールしたディレクトリのフルパスが要るらしく、SSHでエックスサーバーにログイン、WordPressインストールディレクトリへ移動、pwdコマンドで求めることができました。

#Cygwin
$ ssh hoge@hoge.xsrv.jp -p 10022

#エックスサーバー側
$ cd hoge.xsrv.jp/public_html/vccw/
$ pwd
/home/hoge/hoge.xsrv.jp/public_html/vccw

3. Permission denied (publickey,gssapi-with-mic). エラー。
今回は詰まってないと思うけどお困りのツイートもあったし、以前の記事で詰まってたので改めて。

こちらに関しては秘密鍵のパーミッションが他ユーザからアクセス可能(644とか)な状態になっているのが原因。
なので秘密鍵のパーミッションを変更することで解決かなと

	$ chmod 600 /home/ユーザ名/.ssh/id_rsa
	

参考サイト

ハッスルサーバーでBackWPupプラグインが動作しない対処法

ファーストサーバーの件もあってか自社でバックアップをきちんと取りましょう、という風潮(正しくはリスク管理をきちんとしましょうですね、バックアップ然りバージョンアップ然り)というわけでうちもこれまでのバックアップ方法から最近注目されているBackWPupプラグインを導入してみました。
BackWPupプラグイン導入については以下参考サイト参照。

で、本題ですが以下記事が目に止まったので原因、解決方法を調べてみました。

記事を読むとローカルXAMPP環境では問題なく動作するけどハッスルサーバーでは動作しないとのこと。プラグインのダウングレード(2.1.11→2.1.9)や他プラグインとの競合、パーミッション変更等試されたようですがやはり駄目な様子。

というわけで端折りますがハッスルサーバーを試用していろいろと調べてみましたがどれをやっても駄目。(PHPがCGIモード?、セーフモード?、PHPのメモリーが足りてない?、.htaccess設定?)

更に調べてようやく辿り着いたのがBackWPupオフィシャルフォーラムの以下トピック。

filter_input関数が未定義のため、/wp-content/plugins/backwpup/job/job_run.phpでエラーが発生するとの記述が。実際に当ハッスルサーバー環境でjob_run.phpにアクセスしてみるとこちらの環境でも同様のエラーが発生。というわけでこれが原因のようです…

Fatal error: Call to undefined function filter_input() in /home/showweb/public/www/wp/wp-content/plugins/backwpup/job/job_run.php on line 7

フォーラムにある解決方法としてはとりあえずBackWPup2.1.8にダウングレードしましょうとの事だったのでダウングレードで正常に動作するようになりました。

※BackWPupプラグインはいくつかバックアップ方法(サーバ内に保存、メール送信、オンラインストレージに保存)等ありますがgmailへのバックアップテストの際にMAILER-DAEMONが帰ってきたのは以下ツイートが関係あるのかな。


Custom Field Templateプラグインでajaxzip3を使う

進めている案件で使うかもしれないのでメモです。(既にありそうなネタだけど)
カスタムフィールド拡張プラグイン Custom Field Template と郵便番号検索API ajaxzip3 を使って、投稿のカスタムフィールドに郵便番号を入力したら住所が出るようにします。
それぞれの詳しい使い方については本家を参照下さい。

カスタムフィールドコンテンツ登録

“設定 > カスタムフィールドテンプレート”のコンテンツ部分に以下を記述します。

[zipcode]
type = text
size = 10
label = 郵便番号

[pref]
type = text
size = 10
label = 都道府県

[addr]
type = text
size = 50
label = 市町村区

投稿に郵便番号・都道府県・市町村区の入力欄が表示されました。

郵便番号を入力したら自動的に都道府県・市町村区に住所が入力されるようにします。

ajaxzip3読み込み、JavaScript記述

ajaxzip3の設置方法を見ると

<script src="http://ajaxzip3.googlecode.com/svn/trunk/ajaxzip3/ajaxzip3.js" charset="UTF-8"></script>

でスクリプトを読み込み

<input type="text" name="zip01" size="10" maxlength="8" onKeyUp="AjaxZip3.zip2addr(this,'','pref01','addr01');">
<input type="text" name="pref01" size="20">
<input type="text" name="addr01" size="60">

のonKeyUpイベント実行時にname属性”pref01″,”addr01″のフィールドに値を入力しているようなのでJavaScriptを追加する事に。

JavaScriptの記述箇所は”設定 > カスタムフィールドテンプレート”のテンプレートインストラクションになります。

JavaScriptを記述する前にカスタムフィールドのname値が必要なので投稿ページのソースを見ておきます。

<dl id="dl_zipcode0_0" class="dl_text">
	<dt><span><label for="zipcode0_0">zipcode</label></span></dt>
	<dd><p class="label">郵便番号</p><input id="zipcode0_0" name="zipcode[0][]" value="" type="text" size="10" /></dd>
</dl>
<dl id="dl_pref1_0" class="dl_text">
	<dt><span><label for="pref1_0">pref</label></span></dt>
	<dd><p class="label">都道府県</p><input id="pref1_0" name="pref[1][]" value="" type="text" size="10" /></dd>
</dl>
<dl id="dl_addr2_0" class="dl_text">
	<dt><span><label for="addr2_0">addr</label></span></dt>
	<dd><p class="label">市町村区</p><input id="addr2_0" name="addr[2][]" value="" type="text" size="50" /></dd>
</dl>

都道府県は”pref[1][]”、市町村区は”addr[2][]”なので先の設置例の”pref01″、”addr01″部分を置き換えます。

また、記述例ではonKeyUpイベントをinput要素に記述していますがCustom Field Templateでの設定方法がよく分からなかったので郵便番号入力フィールドのid、”zipcode0_0″を使いjQueryで処理したいと思います。

というわけでテンプレートインストラクションに以下を記述して完成。

<script src="http://ajaxzip3.googlecode.com/svn/trunk/ajaxzip3/ajaxzip3.js" charset="UTF-8"></script>
<script>
jQuery(function(){
	jQuery('#zipcode0_0').keyup(function(e){
		AjaxZip3.zip2addr(this,'','pref[1][]','addr[2][]');
	});
});
</script>

郵便番号を入力すると無事住所が自動入力されました。

出来てしまうと簡単でしたがフィールドへの入力、name属性じゃなくてid属性を使うものと勘違いしてたので “AjaxZip3.zip2addr(this,”,’pref1_0′,’addr2_0′);” と指定してしまい躓きました…

参考サイト